パソコン選びの際にポイントとなるCPU、メモリ、ストレージの違いについて解説しています。
「CPUとメモリの違いについて知りたい」
「自分のパソコンのCPUとメモリを確認したい」
「どれくらいの性能のパソコンを選べば良いのか知りたい」
このような方に向け、CPUとメモリの違い・選び方のコツをご紹介します。また、メモリと一緒にされがちなストレージについても丁寧に解説します。
この記事を読めば、パソコンについての知識が深まり、自分に合ったパソコン選びができるようになります。
ひとつひとつわかりやすく解説しますので、ゆっくりお読みください。
はじめに、パソコンの性能を決める三大要素をご紹介します。
これら3つは、機能が異なる別々のパーツです。特に、メモリとストレージは混同されがちですが、きちんと違いを知ることで、パソコン選びがスムーズになります。
ここから、CPU・メモリ・ストレージの違いを詳しく解説します。
この章では、CPUについて解説します。
CPUはパソコンが動作するために必要な演算・制御を行うパーツです。OSやアプリケーションからの命令を解読し、その内容に従って演算を行います。
世界的なCPUメーカーとして、IntelとAMDの2社があります。Intel社は「Coreシリーズ」、AMD社は「Ryzenシリーズ」が主力商品です。
CPUについての詳しい情報は、以下の記事にまとめてあります。
「パソコンのCPUとは?性能や種類、見方をわかりやすく解説」
CPUには型番があります。型番の意味を知ることで、CPUの性能や特徴を把握することが可能です。
Intel社CPUの型番の見方を、「Intel Core i9 13900K」を例に説明します。
(例)Intel Core i9 13900Fの読み方
ブランド | シリーズ | 世代(赤) | サフィックス |
---|---|---|---|
Intel Core | i9 | 13900 | K |
参考: Intelプロセッサー名
このように、型番は「ブランド」「シリーズ」「世代」「サフィックス」から構成されます。
ブランド
インテルのパソコン向けCPUのブランドは以下の通りです。
基本性能は、Core > Pentium > Celeronとなっています。
ブランド名 | 概要 |
---|---|
Intel Core(コア) | ノートパソコン・デスクトップパソコン向けの高機能用途 |
Intel Pentium(ペンティアム) | ノートパソコン・デスクトップパソコン向けの普段使い用途 |
Intel Celeron(セレロン) | ノートパソコン・デスクトップパソコン向けの低価格・初心者向け用途 |
シリーズ
2022年11月現在、パソコン向けに以下のシリーズが発売されています。基本的に大きい数値の数値の方が高性能です。
シリーズ名 | 概要 |
---|---|
Core i9 | 4KウルトラHD映像・ゲームに対応 |
Core i7 | ホーム・ビジネスからハイエンドゲームにも対応 |
Core i5 | ホーム・ビジネス向け |
Core i3 | ホーム向け |
世代
先頭の数字(13900の場合は13)が製造された世代を表しています。大きい数字の方が高性能(新しい世代)です。
なお、第一世代は3ケタ(870など)でしたが、最新世代は5ケタ(12500)となっていますので注意が必要です。
サフィックス
CPUが、どのタイプのデバイスを対象にしているかを示しています。主なサフィックスは以下の通りです。
サフィックス | 概要 |
---|---|
サフィックスなし、またはS | デスクトップ用 |
H | ノートパソコン用 |
K | 高出力のノートパソコン用 |
F | 内臓統合グラフィックスがないCPU(※) |
G | 内臓統合グラフィックスがあるCPU |
X | Core Xシリーズであることを示す |
※「内臓統合グラフィックス」の有無は、主に3Dゲームでの処理に関係します。
AMD社CPUの型番の見方を、「Ryzen 5 7600 X」を例に説明します。
(例)Ryzen 5 7600 Xの読み方
ブランド | シリーズ | 世代(赤) | サフィックス |
---|---|---|---|
Ryzen | 5 | 7600 | X |
参考: AMDプロセッサー
ブランド
AMDのパソコン向けCPUのブランドは以下の通りです。
基本性能は、Ryzen > Athlon となっています。
ブランド名 | 概要 |
---|---|
Ryzen(ライゼン) | AMDの主力ブランド |
Athlon(アスロン) | 比較的低価格のエントリーモデル向けブランド |
シリーズ
2022年11月現在、パソコン向けに以下のシリーズが発売されています。Intel同様、大きい数値の方が高性能です。
わかりやすいように、Intel Coreシリーズとの比較をご紹介します。
シリーズ名 | 概要 |
---|---|
Ryzen9 | Intel Core i9と同等 |
Ryzen7 | Intel Core i7と同等 |
Ryzen5 | Intel Core i5と同等 |
Ryzen3 | Intel Core i3と同等 |
世代
Intel同様、先頭の数字が製造された世代を表しています。大きい数字の方が高性能(新しい世代)です。
サフィックス
Ryzenシリーズの主なサフィックスは、以下の通りです。
サフィックス | 概要 |
---|---|
サフィックスなし | 通常版 |
X | 最高峰CPU |
G | GPU(グラフィック用プロセッサ)内臓 |
U | ノートパソコン用 |
H/HS | ノートパソコン用高性能モデル |
ここまでで説明したCPU型番は、以下の手順で確認できます。
※このやり方ではブランド名・シリーズ名まで確認できます。世代とサフィックスの確認には、ターミナルソフトからの操作が必要ですが、今回は割愛させていただきます。
CPUを選ぶポイントは3つあります。
以下、順番に解説します。
ブランド | シリーズ | 世代(赤) | サフィックス |
---|---|---|---|
Ryzen | 5 | 7600 | X |
Core | i9 | 13900 | K |
前述の通り、シリーズも世代も、大きい数字の方が高性能であることを示しています。
ホーム・ビジネス用途であれば、Coe i5/7またはRyzen5/7で十分対応できるでしょう。
参考までに富士通FMVでは、ノート・デスクトップ全8機種のうち7機種でCore i5/7・Ryzen5/7が採用されています。
サフィックスは、CPUが対象とするデバイスのタイプを示しています。
そのため完成品パソコンの場合、デスクトップ・ノートパソコンなど機種毎に適切なCPUが選択されています。
自分でCPUを選択する場合、機種やマザーボードに適合するものを確認することが必要です。
CPUの性能に影響する指標として、「コア数」と「スレッド数」があります。
コア数
コアとはCPU内部のユニットで、コア数が多いほど高い性能を発揮します。Intel Coreシリーズを例にみると、最大コア数は以下のようになっています。
シリーズ | 最大コア数 |
---|---|
Core i9 | 24 |
Core i7 | 16 |
Core i5 | 14 |
Core i3 | 10 |
スレッド数
スレッド数とは、同時並行できる処理の数を表し、スレッド数が多いほど多くの同時並行処理を実行できます。
Windows10/11では、以下の手順でスレッド数を確認できます。
メモリとは、CPUが制御・演算データを一時的に置く場所です。
一時的といっても「秒・ミリ秒・マイクロ秒」レベルで、非常に高速にデータが読み書きされます。また、メモリ内のデータはパソコンの電源を落とすと全て消去されます。
ストレージと混同されることが多いパーツですが、メモリとストレージは大きく異なります。
メモリに対し、ストレージのデータは画像・オーディオ・動画・ドキュメント類などがメインです。また、ストレージのデータはパソコンの電源を落としても保持されます。
メモリについての詳しい情報は以下の記事にまとめてあります。
「パソコンのメモリとは?ハードディスクとの違いもわかりやすく解説」
市販されているWindow10/11パソコンを選ぶ場合、8GBか16GBがスタンダードです。通常のホーム・ビジネス用途であれば8GBで問題なく動作します。
参考までに富士通FMVでは以下のようになっています。
富士通FMVノートパソコン
PCモデル | NH | AH77/53/50 | AH45 | TH |
---|---|---|---|---|
CPU | Ryzen7 | Core i7 | Core i3 | Core i7 |
メモリ | 16GB | 16GB | 8GB | 16GB |
ストレージ | 512GB(SSD) | 512GB(SSD) | 256GB(SSD) | 512GB(SSD) |
富士通FMVデスクトップパソコン
PCモデル | FH90 | FH77/70/60(※) | DH WD2(※) | DH WD1(※) |
---|---|---|---|---|
CPU | Core i7 | Core i7/i3/Celeron/Ryzen7/5 | Core i7/ i5/i3 | Core i7/i3/Celeron |
メモリ | 16GB | 4/8/16/32GB | 4/8/16/32/64GB | 4/8/16/32GB |
ストレージ | 256GB(SSD)+4TB(HDD) | 1T/512GB/256GB(SSD) | 1T/512GB/256GB(SSD) | 512GB/256GB(SSD) |
※購入者がCPU・メモリ・ストレージを自分で選び、カスタマイズする機種です
Windows10/11では、以下の手順でメモリ使用状況を確認できます。
起動アプリが多い場合や処理負荷の重い演算が行われている場合、メモリ使用率は高くなります。
パソコンを普段使いしていて動作が重くなった場合、メモリ使用率を確認してください。メモリ使用率が高い場合、メモリの増設で問題が改善する可能性があります。
メモリ増設は、お使いのパソコンの説明書に従って適切に行ってください。機種によっては増設できないものもあります。
ストレージとは、画像やオーディオ・動画ファイルなどを保存しておく場所で、以前は「ハードディスク」「ハードディスクドライブ」などと呼ばれていたパーツです。
ストレージには、通常以下のようなデータが保存されています。
ストレージについての詳しい情報は以下の記事にまとめてあります。
「パソコンのストレージとは?空き容量の確認方法や増やす方法を解説」
パソコンのストレージは大きく2種類にわかれます。
どちらも役割は同じで、前述のように画像・動画データなどを保存するために使用されます。しかし価格や特徴が異なるため、必要に応じて使い分けられています。
速度 | 価格 | 動作音 | 容量 | 消費電力 | |
---|---|---|---|---|---|
HDD | 遅い | 安い | やや大きい | 大 | 多い |
SSD | 速い | 高い | 静か | 中 | 少ない |
現在店頭で販売されているデスクトップパソコン・ノートパソコンでは、SSDが主流です。
一般的な完成品パソコンの多くは、256GBまたは512GBのSSDを搭載しています。「必要なメモリ容量の目安」の表を参考にしてください。
動画を保存したい場合、512GB以上をおすすめします。
市販の完成品パソコンでは、1TB以下に高速なSSDを使用し、それ以上の容量は安価なHDDを使用しているものがほとんどです。
パソコンのストレージ空き容量は、以下の手順で確認できます。
ストレージが不足した場合、既存のストレージを増量することができます。
パソコン内部のストレージを容量の大きいものに交換すると、容量不足を解消できます。
ただしデータのバックアップや、適合するストレージの確認が必要です。お使いのパソコンのマニュアルをよく読み、作業してください。
内部ストレージを交換するより、外部ストレージを追加するほうが簡単です。
家電量販店などに行くと、USB接続できる外付けHDD・SSDドライブが販売されています。
容量は1TB~16TBなど豊富な種類があります。また容量のほか、対応OSなどもきちんと確認した上で購入してください。
この記事では、パソコンのCPU・メモリ・ストレージの違いについて解説しました。
パソコンをできるだけ長く使用できるよう、CPU・メモリ・ストレージに対する理解を深めることが大切です。
パソコンの寿命は、一般的に3年前後とされています。故障・買い替えなどで古いパソコンを処分する場合、以下の点にご注意ください。
処分方法・データ消去に不安がある方は、専門業者の利用をおすすめします。
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