マザーボードはパソコンの土台となるパーツで、他のパーツの橋渡しの役割があります。マザーボードが故障すると交換しなければパソコンは動作しません。この記事では、マザーボードの役割や選び方をわかりやすく解説します。
マザーボードは、パソコンの内部パーツの中でも最も大きなパーツで、グラフィックボードやCPU、メモリなどを取り付ける電子回路基板です。
パソコンがフリーズする、電源が落ちるなどの不具合は、マザーボードの故障が原因のこともあり、交換することで改善することもあります。
マザーボードは、パソコンの土台とも言える重要なパーツ。価格やスペックの幅も広く、マザーボードによってパソコンの性能も左右されるため、慎重に選ぶ必要があります。
この記事では、パソコンの性能を左右するマザーボードについて理解を深めるため、役割などをわかりやすく解説します。
パソコンのマザーボードを詳しく知りたい方は、参考にしてください。
【この記事でわかること】
目次
マザーボードは、どんなパソコンにも搭載されているパソコンの土台とも言えるパーツで、多くのパーツが接続されている電子回路基板です。
マザーボードの呼び方はさまざまで、マザボ、MB、システムボード、メインボードなどと呼ばれることもあります。
マザーボードはそれぞれ搭載できるCPUやメモリが異なり、価格や拡張性などの性能に違いがあります。
自作PCを組み立てる場合は、マザーボードに必要なパーツを取り付け、さまざまな機能を追加していきます。
マザーボードが故障するとパソコンは正常に動作しなくなり、マザーボードの交換やパソコンの買い替えが必要です。
パソコンの土台となるマザーボードには、次の役割があります。
それぞれ、詳しく解説していきます。
マザーボードには、電源やCPU、メモリ、ストレージ、マウス、キーボードなどのパソコンのパーツがすべて繋がっています。
それらのパーツはすべて、マザーボードを介してデータのやり取りを行います。例えば、キーボードで入力した文字は、マザーボードを介してチップセットに送られます。
チップセットはそのデータをCPUに送り、再びマザーボードを介してディスプレイに送られ、文字が表示されます。
このように、全てのデータはマザーボードを介しているため、マザーボードがなければパソコンは正常に動作しません。
パソコン内部は多くのパーツで構成されており、パーツごとに役割や機能が異なります。
そのため、1つのパーツで統制を取る必要があり、その統制の役割をするのがマザーボードです。
マザーボードには、電源やCPU、メモリ、マウス、キーボード、プリンターなどの周辺機器が接続されており、各部品への電源の供給や、各部品を管理しています。
これらの管理は、マザーボードに搭載されたBIOSによって行います。BIOSはOSが起動する前に、CPUやマウス、キーボードなどを管理、統制します。
マザーボードのBIOSに不具合が起こると、パソコンは正常に起動しなくなります。
マザーボードには、多くのパーツが使用されています。それぞれの名称や役割を見ていきましょう。
マザーボードの中央付近についている、CPUを搭載するためのソケットで、このソケット部分にパソコンのCPUを取り付けます。
マザーボードのCPUソケットとは、CPUの型のことでソケットに合うCPUを取り付ける必要があります。
そのためマザーボードを取り付ける場合は、CPUのソケット形状の確認が必要です。CPUは、Intel製、AMD制のものがあり、Intel製のCPUにはIntel製のソケット、AMD製のCPUにはAMDのソケットに合わせます。
マザーボードに接続されている、すべてのパーツに電源を供給するためのコネクタです。
マザーボードの電源コネクタにケーブルを接続することで、パソコン全体に電力を供給できます。通常マザーボードの電源コネクタは24ピンが使われています。
旧式のマザーボードでは、20ピンが主流であったため、旧式にも対応できるように20+4ピンと分岐している電源コネクタもあります。
メモリを取り付けるためのスロットです。マザーボードによって、取り付けできるメモリの種類や、数が決まっています。
現在、多くのメモリに使用されている規格は「DDR SDRAM」です。この規格がマザーボードとメモリで一致しないと、パソコンは動作しません。
マザーボードには搭載できる最大メモリ容量も決まっています。例えば、メモリ最大容量が32GBまでのマザーボードには64GBのメモリを搭載できません。
機能を拡張するための電子基板(拡張カード)を差し込むための接続端子です。
拡張カードにはグラフィックやサウンドなどの特定の機能を持ったICチップが搭載されており、拡張スロットに差し込むことでパソコンの機能の追加や増強ができます。
かつては拡張スロットの数は、パソコンの性能や機能を左右していましたが、現在ではチップセットにほどんどの機能が備わっていることから、特殊な機能などが必要でない限り使用することが少なくなりました。
SATAポートは、パソコンにストレージや光学ドライブを接続するためのインターフェースで、搭載されている数は、マザーボードによって異なります。
転送速度の違いによりSATAⅡやSATAⅢがあり、現在の標準はSATAⅢです。転送速度はモデルによって異なり、中には高速データ転送に対応したものもあります。
マザーボードには、さまざまな周辺機器を接続できます。
LAN、USB、オーディオ、ディスプレイなどの基本的なインターフェースは、数や種類は異なりますが、基本的にほとんどのマザーボードに搭載されています。
ただしグラフィック機能を内蔵していないCPUと組み合わせて使うマザーボードには、ディスプレイ端子が搭載されていないことがあります。
マザーボードにはチップセットと呼ばれる集積回路が組み込まれています。取り付けたCPUやメモリで処理したデータをパソコン内のパーツに送り、管理する役割があります。
チップセットを開発、製造しているのはIntelとAMDの2つのメーカーです。取り付けたCPUがIntelならIntel、AMDならAMDのマザーボードが必要です。
またメモリもCPU同様に、チップセットの種類によって対応するクロック数や規格が異なります。
CPUやメモリに応じて、対応するチップセットが搭載されたマザーボードを選びましょう。
チップセットには性能や機能、拡張性に違いがあり、チップセットによってRAIDやオーバークロック、SATAの数、スロットの最大速度などが異なります。
チップセットの性能がパソコンの性能に直結するため、マザーボードのチップセットの確認は重要です。
【オーバークロックについて】
本来のクロック数を上回る周波数でマザーボードを動かすことをオーバークロックと言います。本来のパワー以上で動かすため、本来よりも上の性能を引き出せます。
しかし、オーバークロックは発熱量が上がり、パーツの寿命を縮める可能性があります。保証の対象外にもなることから、無理なオーバークロックはひかえましょう。
マザーボードには、ボタン電池があります。このボタン電池の電力によって、BIOSに設定した設定項目などが保存されます。
BIOSの設定情報などは常に通電している状態でないと、データを保持できません。そのため、常に電力を供給するためにボタン電池が必要になります。
ボタン電池はパソコン内の時計機能を保持する役割もあり、パソコンの電源を切っても時計が狂わないのは、ボタン電池があるためです。
ちなみにボタン電池の寿命は約3年程度と言われています。
マザーボードのCPUの周りには、コンデンサが配置されています。コンデンサは、パソコン内に安定して電力を供給する役割があります。
以前のマザーボードでは、コンデンサ内に電解液と呼ばれる液体が入った物が使用されていましたが、高温に弱いなどのデメリットがありました。
現在では、高温や高周波数にも比較的強い固体コンデンサが使用されることが多くなりました。
マザーボードは、多くのメーカーが製造しています。
ここでは、おすすめのマザーボードメーカーをその特徴とともに、5つ紹介します。
マザーボード選びの参考にしてください。
台湾にあるメーカーで、パソコン本体やパソコンパーツ、スマートフォン、タブレットなどの取り扱いをしています。
マザーボードメーカーとしては、世界でもトップクラスのシェア率を誇ります。マザーボードの種類や機能が豊富で、拡張性や汎用性も高く、初心者から上級者まで愛用している人も多いです。
信頼性も高く、とりあえずASUSのマザーボードを購入しておけば安心と言われるほどです。
日本語マニュアルが添付され、BIOSの設定も日本語に翻訳されており、初心者でも安心して使用できます。
価格は他よりも高めですが、安定感があるため、マザーボードのメーカー選びで迷ったらASUSを選ぶのもおすすめです。
台湾のメーカーで、パソコン周辺機器を製造しています。マザーボードの種類が豊富で、シンプルでバランスが良いコスパのいい商品が多いことも特徴です。
最近ではゲーミング向けのマザーボードにも力を入れており、ますます注目のメーカーです。日本語マニュアルのあるため初心者でも安心です。
オーバークロック機能を搭載したモデルも多く安価のため、コスパ重視で選ぶならGIGABYTEを検討してみましょう。
台湾のメーカーで、マザーボードの製造を中心に行っています。エントリーモデルからミドルレンジまで、幅広いラインナップが特徴です。
一般的なマザーボードから、他のメーカーにはないような独自のマザーボードの取り扱いもあり、目的の機能がある場合は検討しましょう。
日本語マニュアルがなくわかりにくいため、初心者は取り扱いに苦労する場合もありますが、価格が抑えめのため、できるだけコストをかけずにパソコンを自作したい人におすすめです。
台湾のメーカーで、パソコン本体やパソコン周辺機器まで製造、販売を行っています。パソコンパーツの製造メーカーとしては、トップクラスの知名度を誇り、赤色がイメージカラーとして使われています。
オーバークロックの際に挙げられることも多く、コアなユーザーからの支持も高くなっています。
ハイスペックパソコンが得意で、ゲーマーの愛用者が多いことも特徴。e-スポーツにも力を入れており、プロゲーミングチームとスポンサー契約も結んでいます。
一般向けよりは、ハイスペックな商品を多く取り扱っており、高性能なパソコンを自作したい場合におすすめです。
アメリカのパソコン周辺機器メーカーで、ハイエンドやサーバー向けのマザーボードを多く取り扱っており、一般的には目にする機会は少ないかもしれません。
基本的には業務用の販売をしているため、品質や安定感は問題ありません。
マザーボードは、寿命や高温、ホコリや湿気、物理的な破損などで故障することがあります。マザーボードが故障すると次のような症状が現れます。
これらの症状が現れた場合は、一旦パソコンの使用を中止し、次に紹介する対処法を試してみましょう。
ただし、上記の症状はマザーボードの故障以外でも現れる場合もあります。
マザーボードの故障を特定するためには、最小構成で起動してみる、パソコンのケースを開けてマザーボードを確認するなどの方法があります。
マザーボードを目視して、コンデンサの液漏れや膨らみなどがある場合は、故障している可能性が高くなります。
マザーボードが故障した場合は、マザーボードの交換やパソコンの買い替えが必要です。
マザーボードが故障したパソコンを買い替える場合は、古いパソコンの処分が必要です。
パソコンは小型家電リサイクル法によって、リサイクルすることが義務付けられており、簡単に処分できません。
特に自作パソコンなどは、パソコンメーカーでリサイクルを依頼できないため、有料で処分することになります。
ここでは、古いパソコンのおすすめ処分方法を3つ紹介します。
地方自治体では、パソコンの回収を行っている自治体もあります。
パソコン回収ボックスを設置している自治体では、専用の回収ボックスに入れるだけでパソコンを処分できます。
データ消去は自己責任のため、処分前にはパソコン内のデータを完全に消去しましょう。ボックス回収の場合、ボックスに入らないパソコンは処分できません。
環境省のサイトでは、自治体ごとのパソコンの回収方法を確認できます。
中古買取店に売却するなどの方法もあります。
メーカー製のパソコンはスムーズに売却可能ですが、自作パソコンの場合は、売却できない場合もあります。
売却できないパソコンの場合は、不用品回収業者で処分できます。回収には費用がかかりますが、自宅まで回収に来てくれる業者もあります。
パソコン処分.comでは、自作パソコンや古いパソコンでも無料で処分できます。事前の連絡も不要で、不要になったパソコンを送るだけで処分できます。
データ消去も無料のため、パソコン内のデータ消去が難しい方にもおすすめの処分方法です。
マザーボードはパソコンの土台となるパーツです。
CPUやグラフィックボード、マウス、キーボードなどを取り付けるための基盤で、パソコン内の各パーツを制御、管理する役割があります。
マザーボードには大きさや性能に違いがあり、マザーボードの性能がパソコンの性能を左右します。
マザーボードが故障するとパソコンは動作しなくなるため、マザーボードの交換やパソコンの買い替えが必要です。
古いパソコンの処分には、パソコン処分.comの利用がおすすめです。事前に連絡も不要でパソコンを送るだけ、配送料やデータ消去も完全無料。手間をかけずパソコンを処分したい方には最適な方法です。