SSDのおすすめ容量は256GBです。容量不足になるとパソコンが重くなる、アップデートができないなどの不具合が起こる可能性も。この記事では、SSDのおすすめ容量と容量不足の場合の対処法を詳しく解説します。
SSDは、パソコンのデータを保存するストレージと呼ばれる場所です。処理速度の速さから、HDDに変わりストレージの主流になりつつあります。
パソコンを買い替える際には、SSDの容量を決める必要がありますが、どれくらいの容量があればいいのかわからない方もいるのではないでしょうか。
この記事では、SSDのおすすめ容量を用途別に解説します。SSD容量が不足する原因や起動しなくなった場合の対処法も併せて紹介しますので、SSD選びで困った際には参考にしてください。
【この記事でわかること】
HDDとSSDの違いに関しては、下記記事でも詳しく解説しています。
どっちを選ぶ?HDDとSSDの違い!寿命や速度を徹底比較>>
目次
SSDの最適な容量は、どんなデータを保存したいのかによって変わります。一般的な用途であれば、SSDのおすすめ容量は256GBです。
SSDの容量が不足すると、パソコンが重くなるなど快適に作業できなくなります。またWindowsOSや必須アプリだけでも30~40GB程度の容量が必要なため、予算に余裕があればできるだけ大きい容量がおすすめです。
ここからは、どのようにパソコンを使いたいのか、用途によっておすすめのSSD容量を解説していきます。
128GBでは、最低限パソコンが起動できる程度の容量です。しかし、動画保存はほとんどしない、インターネット閲覧も時々、メインはWordやExcelでの文書作成で、保存する量も多くない場合は、128GBのSSDでも使用できます。
ただし、SSDはWindowsOSや必須アプリだけでも30~40GB程度を消費し、Windows updateの際には空き容量が20GB程度必要な場合もあります。128GBで自由に使用できる容量は60GB程度になり、ほとんど自由に使用できません。
そのため、128GBではパソコンを使用しているうちに容量不足になる可能性もあります。予算に余裕がある場合や、できるだけ長い期間パソコンを使いたい場合は、256GBがおすすめです。
WordやExcelで文書を作成し、大量の文書や動画、画像の保存もする場合は、256GBのSSDがおすすめです。毎日のようにインターネットを閲覧し、ときどきゲームをする場合でも256GBあれば足りるでしょう。軽い動画や画像の編集も問題ないため、幅広い層におすすめの容量です。
しかし、ゲームを頻繁にプレイする場合や、4Kなどの高画質の動画を保存する場合などは、256GBでは足りなくなる可能性が高いです。パソコンの用途をよく考えて、ゲームや動画編集などに興味がある場合は、512GBや1TBのSSDを選んでおけばパソコンの買い替え回数を減らせます。
512GBあれば、Web制作やDTPなどのクリエイティブ作業をする際にも問題ない容量です。動画編集をする機会が多いと素材が増え256GBでは容量が足りなくなることがありますが、512GBあれば容量不足で悩むことも少なくなります。SSDは処理速度も速いため、快適に作業できるでしょう。
3Dゲームなど高画質のゲームをプレイしたい場合は、最低限必要な容量です。PCゲームは、1本インストールすると100GBの容量が必要な場合もあり、256GBでは数本のゲームしかインストールできません。512GBあれば複数のゲームをインストールできるため安心です。
そのため動画編集などのクリエイティブ作業が多い人や、3Dゲームをプレイしたい人、SSD容量に余裕が欲しい方には512GBがおすすめです。
3Dゲームを容量を気にせずインストールしたい場合や、頻繁に動画編集をする場合は、1TBの容量もおすすめです。512GBでは、ゲームをインストールする際にはSSDの空き容量が気になりますが、1TBあれば容量をほとんど気にすることなくインストールできます。
また、4K動画などの容量の大きな動画を編集する場合も1TBがいいでしょう。ただし、1TBのSSDは価格も高価になります。費用を抑えるためには、512GBのSSDを搭載し、外付けHDDを併用するといいでしょう。
Macの場合も基本的に、Windowsと同じように容量を選ぶといいでしょう。Windows同様、最もおすすめは256GBですが、動画編集や画像編集、イラスト制作などを目的にしている場合は512GBを検討しましょう。
MacもWindows同様、全てのストレージを使用できるわけではありません。MacOSに15~30GB程度、OSのアップデートに約25GB程度、システムデータにも容量が必要なため、Macを動かすだけでも60GB程度の容量が必要です。
ただし512GBのMacは価格も高くなるため、256GBのMacを購入し外付けストレージを購入する方が費用も安くなります。
SSDの選び方に関しては、下記記事でも詳しく解説しています。
Windowsのパソコンの場合、SSDの容量を全て自由に使用できるわけではありません。パソコンのストレージはCドライブがあり、CドライブにはWindowsOSがインストールされているためです。
というのもWindowsOSやインストールされているアプリにもSSD容量が必要なため、実際に使用できる容量は、それらの容量を差し引いたものになります。また、長年SSDを使用し続けると、SSDには一時的に保存されたキャッシュなどのデータが溜まり容量を圧迫します。ここでは、WindowsOSやアプリの容量について、わかりやすく解説します。
例えば、Windows10の場合に必要な容量は、32bit版でおよそ16GB、64bit版でおよそ26GBほどが必要です。
ただし、これは最低限必要な容量で、仮想メモリや休止ファイル、システムの復元などの設定によっては、さらに容量が必要になります。
WindowsOSは、Windows updateの際にも空き容量が必要です。特に大型アップデートとなると20GB以上の空き容量が必要となり、容量が足りない場合はアップデートできません。
SSDは空き容量が少なくなると処理速度も落ちるため、CドライブのSSD容量は20GB程度の余裕がある状態にしておきましょう。
パソコンに初期インストールされているアプリも、Cドライブに保存されます。Windowsのパソコンは、セキュリティアプリやメーカーのアプリがプリインストールされていることがあり、購入してすぐにアプリによってSSDの容量が使用されています。
またWordやExcelなどのOfficeアプリ、ブラウザアプリなど必要なアプリによって10GB程度使用されています。プリインストールされているアプリは不要であれば削除でき、削除することで空き容量を増やすこともできます。
SSDは使用を続けていると、いつのまにか容量がいっぱいになっていることがあります。これは、ダウンロードしたファイルを削除していなかったり、ブラウザに一時的に保存されたキャッシュなどが溜まり続けるためです。
キャッシュとは、ブラウザで一度アクセスしたページに再アクセスする際に素早くアクセスできるように一時的に保存したデータのことです。キャッシュは削除しない限り、溜まり続けていつの間にか容量を圧迫していることも多いです。
また、Windowsアップデートの際に保存されるファイルもSSDを圧迫する原因になります。これらのデータ容量を併せると1年で5GB程度になると言われています。以上のことから、例えば128GBのSSDで64bit版のWindowsの場合、5年で自由に使用できる容量は128GB-26GB(OSの容量)-10GB(アプリの容量)-25GB(キャッシュ)-20GB(アップデートに必要な容量)=47GBとなり、あまり自由に容量を使用できないことがわかります。
パソコン内蔵のSSDや接続されているストレージは、設定もしくはエクスプローラーから確認できます。SSDが使用されている状況や空き容量、どんなアプリにどれだけの容量を使用しているのかもわかります。
接続しているストレージがSSDかHDDかわからない場合には、ストレージの種類も確認できます。それでは、それぞれの確認方法を詳しく解説します。
右側「記憶域」の欄に「Cドライブの全体の容量」「使用容量」「空き容量」が表示されます。棒グラフで、SSDの使用容量は「青」、空き容量は「灰色」で表示されるため、一目で確認しやすくなっています。
さらに下に行くと、ドライブに保存されているデータの内容も表示されます。Cドライブ以外の容量を確認する場合は、さらに下にスクロールし「その他のストレージの設定」から「他のドライブの記憶域利用状況を表示する」をクリックします。
パソコンに接続されているストレージの一覧が表示され、それぞれ使用状況と空き容量を確認できます。さらに詳しく内容を見るには、確認したいドライブをクリックしてください。
ストレージの種類がSSDかHDDかわからない場合は、「設定」の「記憶域」から「ドライブの最適化」をクリックします。ドライブの最適化画面の「メディアの種類」にSSDか、HDDかが以下のように記載されています。
ソリッドステートドライブ | SSD |
ハードディスクドライブ | HDD |
リムーバブルドライブ | USBメモリやSDカード |
デバイスとドライブに表示されている空き容量が、パソコンに内蔵されているSSDの空き容量です。ドライブが複数表示されている場合は、空き容量を知りたいドライブを右クリックし、プルダウンメニューに表示される「プロパティ」をクリックすれば、SSDの使用容量、空き容量、全体の容量を確認できます。
プロパティの円グラフでは、「青」が使用容量、「グレー」が空き容量が表示されるため一目で容量を確認することもできます。さらにプロパティの「ツール」タブをクリックし、「最適化」をクリックすれば、「メディアの種類」からストレージがSSDかHDDかも確認できます。
どちらの方法でもパソコンのストレージ容量の確認とともに、種類も確認できるので、活用してみてください。
SSDはパソコンのデータを保存する場所です。SSDが容量不足になると、あきらかにパソコンのパフォーマンスが低下し、最悪の場合は起動しなくなることもあります。
SSDの容量不足で起こる主な症状は、以下のとおりです。
SSDが容量不足になった場合の大きなデメリットは、初期速度の低下です。HDDはデータを上書きして保存しますが、SSDは新しい領域にデータを保存します。SSDはデータを保存するたびに新しい領域にデータを書き込むため、空き領域がなくなると古いデータを削除する時間がかかるようになります。そのため、SSDは空き容量が不足すると処理速度が低下します。
Cドライブの容量が不足した場合は、パソコンの起動が遅くなるなどの不具合も起こります。新しいデータを保存できない、アプリをインストールできないなど、パソコンをまともに使えなくなるでしょう。
また、Windows updateには20GB程度の空き容量が必要のため、空き容量が不足している場合は、アップデートが正常に実行されません。Windows updateは、最新のセキュリティの更新やバグの修正などのために必要です。アップデートが実行されないままパソコンを使用し続けると、ウイルス感染などのリスクがあり危険です。
SSDの容量不足は、SSDの寿命にも関わるともいわれています。SSDは、古いデータを消去して書き込みを繰り返すとフラッシュメモリが劣化していきます。ただし、SSDにはTBWと呼ばれる総書き込みバイト数が決まっており、その上限には余裕があります。よほど無茶な書き込みを繰り返さない限り、あまり心配する必要はありません。
SSDが容量不足になると、処理速度が低下しパソコンをまともに使えなくなります。SSDの容量不足を解消するには、SSD内のデータを整理しましょう。
SSDの容量不足を解消するには、次の6つの方法がおすすめです。
それぞれの方法を、詳しく紹介します。
古いデータをゴミ箱に移動するだけでは、SSDの容量不足は解消しません。ゴミ箱へ移動したデータは、パソコン内に断片的に残っています。そのため、ゴミ箱にデータを入れたままにしておくと断片データが蓄積し、SSDの容量を圧迫する原因になります。
ゴミ箱を完全に空にするには、デスクトップから「ゴミ箱」を右クリックし、「ゴミ箱を空にする」を選択すれば完全に空にできます。
不要なアプリやプレイしていないゲームがあれば、削除しましょう。Windows10の場合、アプリやゲームをアンインストールする方法は、以下の3つがあります。
なお、設定のシステムからアプリを表示すると、アプリが占める容量が表示され、容量の大きいアプリから並べ替えることもできます。容量の大きなアプリからアンインストールすれば、効率よく空き容量を増やせます。
SSD内の不要なデータは、「ディスククリーンアップ」を実行すれば削除できます。クリーンアップしたいデータは自由に選択できるため、不要なデータを選んで削除しましょう。
【ディスククリーンアップの実行方法】
Windows10/11の場合はストレージセンサーを活用すれば、定期的にキャッシュやゴミ箱にあるファイルを削除できます。ストレージセンサーは、初期設定ではオフになっているため、必要な場合は以下の手順で設定しましょう。
【ストレージセンサーの設定方法】
ストレージセンサーは、すぐに実行もできます。「ストレージ センサーを構成するか、今すぐ実行する」をクリックし、「今すぐクリーンアップ」をクリックすれば、終了です。
「復元ポイント」とは、Windowsに不具合があった場合にシステムを復元するためのバックアップで、復元ポイント作成時のデータが保存されています。復元ポイントが複数ある場合は、最新のデータを残して古いデータを削除しましょう。一度削除した復元ポイントはもとに戻せないため、慎重に行いましょう。
最新の復元ポイントを残して、古い復元ポイントを削除する方法は、以下のとおりです。
参考:NEC Windows 10で復元ポイントを削除する方法
SSDが容量不足の場合や、大容量のSSDが高価で予算に合わない場合は、外付けHDDがおすすめです。SSDのデータを外付けHDDに移行することで、SSDの空き容量を増やし容量不足を解消できます。
外付けHDDを使用することで、OSの起動は処理速度の速いSSDで、データ保存は容量単価の安いHDDを使用するというように使い分けもできます。
クラウドストレージは、インターネット環境がない場所ではデータを取り出せませんが、外付けHDDであればインターネットに接続していない状態でも使用できます。緊急時にも出たーを取り出しできる、セキュリティ面でも安心という点から人気があります。
クラウドストレージにSSDに保存したデータを移行すれば、SSDの空き容量を増やせます。クラウドストレージとは、インターネット上にあるストレージに、データを保存できるサービスです。クラウドストレージは無料で利用できるものもありますが、ほとんどが月額料金を支払うサブスク型のサービスです。
おすすめのクラウドストレージは、以下の3つです。
Google DriveはGoogleが提供するクラウドストレージで、月間15GBまでは無料で利用できます。iCloud Driveは、Appleが提供するサービスのためMacを利用している方に、OneDriveはMicrosoftが提供するサービスのためWindowsを利用している方におすすめです。
それぞれ無料で利用できるプランもあるため、まずは無料で試してみて自分に合ったサービスを選びましょう。
SSDが容量不足になると、アプリが起動しない、アプリの動作が不安定になることがあります。削除するデータがない場合は、容量の大きなSSDに換装しましょう。
SSDには寿命もあるため、長く使っている場合は交換すれば、安心して使用できます。SSDは容量の大きいものは高価ですが、最近では単価が下がり以前よりも価格も安くなっています。
しかし、SSDの換装は、ある程度パソコンの知識も必要です。難しい場合は、大容量のSSDを搭載したパソコンへ買い替えも検討しましょう。長期間使用したパソコンの場合、SSDだけを交換しても、別のパーツに不具合が起こる可能性もあります。
パソコンを買い替えればSSDを換装する手間もなく、快適にパソコンが使用できるようになるでしょう。最近ではSSDとHDDを両方搭載したモデルもあります。例えば、SSDにはOSやアプリ、ゲームなどを、HDDには画像や動画のデータを保存することで、アプリやパソコンを高速で起動しつつ、大量のデータを保存することもできます。
パソコンを買い替えたら、古いパソコンの処分が必要です。パソコンを手軽に処分するなら、無料で利用できるパソコン処分.comがおすすめです。
パソコン処分.comでは、不要になったパソコンを箱詰めして送るだけで処分できます。持ち込みも可能で、事前の連絡は必要ありません。データ消去も無料のため、費用が一切かからないこともポイントです。
最近増えているのが、SSDの容量偽装です。容量偽装とは、256GBのSSDとして販売しているにもかかわらず、実際は16GBのUSBが搭載されているなどのことです。
容量偽装のSSDは、実際の容量以上の書き込みはできません。最悪の場合は、データがクラッシュすることもあります。容量偽装のSSDは、海外メーカー製で大手通販サイトで販売していることが多いため、新しいSSDを購入する際には注意しましょう。
しかしながら、実際に手に取ることができない通販サイトで購入すると、SSDの容量偽装を見分けるのが難しいのが現状です。
容量偽装のSSDを購入しないためには、他サイトよりも異常に安いSSDは購入しない、不安な場合は国内メーカーのSSDを購入するなどを覚えておきましょう。また外付けHDDやクラウドストレージ等を利用し、大切なデータを複数個所に分けておけば万が一の場合でも安心です。
SSDの最もおすすめの容量は、256GBです。256GBあれば、WordやExcelなどのOfficeアプリやインターネット閲覧はもちろん、軽い動画や画像の編集、ゲームプレイも可能のため、幅広い層におすすめの容量です。
ただし複数のゲームをプレイしたい場合や、動画編集する機会が多い場合は512GBあれば安心です。SSDが容量不足になると、パソコンが重くなるなど不具合が起こるため予算に余裕があれば大容量のSSDがおすすめです。
しかし大容量のSSDは高価なため、外付けHDDやHDDとの併用も活用しながら、SSDを圧迫しないように工夫しましょう。根本的にSSDの容量が不足している場合は、パソコンの買い替えもおすすめです。大容量のSSDを搭載したパソコンに買い替えれば、全ての問題が一気に解決するでしょう。
パソコンを買い替えたら、古いパソコンの処分はパソコン処分.comがおすすめです。事前連絡不要でパソコンを送るだけのうえにデータ消去も無料のため、一切手間がかからないことも魅力です。