パソコン処分ドットコム

m.2 SSDとは?SSDとの違いや外付けケースで使う方法も紹介

m.2 SSDとは新しい規格m.2に対応したSSDのことで、従来よりも小型で高速なデータ転送可能です。この記事では、m.2 SSDとは何か、従来のSSDとの違いや外付けケースで使用する方法などを解説しています。

m.2 SSDとは、新しい規格m.2に対応したSSDのことです。m.2 SSDは小型でケーブルも少ないことから、パソコン内のスペースを節約したい方にも人気です。

m.2 SSDはデータ通信速度が高速のためパソコンの高速化も期待できますが、種類によっては必ずしも高速化するとは限りません。そのため、従来のSSDとの違いがわからない方もいるのではないでしょうか。

この記事では、m.2 SSDのメリットや従来のSSDとの違いを徹底的に解説します。外付けケースで使う方法やおすすめも併せて紹介しますので、参考にしてください。

【この記事でわかること】

  • m.2は比較的新しい接続規格
  • m.2 SSDのメリットは小型と高速なこと
  • m.2 SSDにはさまざまな接続端子や接続方式、サイズがある
  • 外付けケースで使用すると高速な外付けSSDが低価格で利用できる
  • m.2 SSDのおすすめ5選

m.2とは?

m.2はインターフェースの一種で、急速に普及している規格です。m.2は、Intel9シリーズ以降のマザーボードに採用された新しい規格で、SATAやPCI Expressに対応している柔軟性や機能性の高い規格です。

m.2のインターフェースを持ったSSDをm.2 SSDと呼びます。ノートパソコンや小型のパソコン向けに開発された規格で、マザーボードのスロットに直接差し込み配線が不要のため、パソコンケース内をスッキリさせたい方にも人気です。

マザーボードにm.2 SSDのスロットがない場合は、拡張カードを取り付けることで取り付けできますが、比較的新しい規格のため、古いパソコンでは使用できない場合も多いです。

SSDには他にも、2.5インチ、mSATAがあります。違いを簡単に解説すると、以下のとおりです。

SSDの種類特徴
2.5インチ・SSDの主流の大きさ
・HDDと同じ規格で互換性がある
・差し込み口は従来のSATA端子を使用
・最大速度は6Gbps
m.2・2.5インチよりも小型
・転送速度が速い
・SATAとNVMeがありNVMeは40GbpsとSATAの7倍の速度
mSATA・m.2の前の規格
・最大速度は6Gbps
・主にタブレットやノートパソコンで使用

SSDの選び方や容量、HDDとの違いに関しては、下記記事でも詳しく解説しています。

パソコンのSSDの選び方を解説!おすすめのメーカーは?>>

SSDのおすすめ容量は?容量不足の原因や起動しない場合の対処法を解説>>

どっちを選ぶ?HDDとSSDの違い!寿命や速度を徹底比較>>

m.2 SSDのメリット

m.2 SSDのメリットは、以下の2つがあります。

  • 従来よりも小型
  • データを高速転送できる

m.2 SSDは従来よりも高速で、小型なことがポイントです。また、マザーボードのスロットに直接挿し込めるため、パソコンケース内がすっきりする点も魅力です。m.2 SSDのメリットを、順番に見ていきましょう。

従来のSSDよりも小型

m.2 SSDは、小型パソコンやノートパソコン向けに開発された新しい規格です。SSDの中でも最も小さくガム1枚ほどの大きさです。

横幅が約22㎜のスティック型の形状で厚さも2㎜程度と薄く、配線が不要なことからパソコンケース内で邪魔にならない点もメリットです。設置スペースを節約できることから、最近ではノートパソコンだけでなくデスクトップパソコンへ搭載する高速ストレージとしても人気です。

データを高速転送できる

m.2 SSDはSATAやNVMe接続などのインターフェースによって、通信速度を向上できることもメリットです。特に、PCIe(NVMe)接続を採用したM.2 SSDの最大転送速度は、理論上40Gbpsと非常に高速です。

m.2SSDとSSDの違い

m.2 SSDは、mSATA SSDの後継として開発されました。mSATAはカード形状、m.2 SSDは細長いスティック型の形状です。従来のSSDは、ドライブベイに搭載するSSDでサイズが大きく、パソコンに搭載するにはドライブベイが必要です。このように、それぞれの形状に違いがあります。

さらに、mSATA SSDとm.2 SSD、SSDの大きな違いは、その転送速度です。mSATA SSD、SSDの転送速度の上限が6Gbpsに対して、m.2 SSDの転送速度の上限は理論上40Gbpsと非常に高速です。またデータ転送方式も異なり、mSATA SSDはSATA3.0の転送方式に対して、m.2 SSDは接続する機器に応じてデータ転送方式が切り替えできます。m.2 SSDの接続方式はSATAとNVMeがあり、SATAの場合は従来のSSDと通信速度がほとんど変わりません。

m.2の接続端子の種類

m.2の端子の形状は、A~Mまであり、それぞれ端子の種類によって切り欠きの位置が違い、対応する製品が変わります。主にm.2 SSDで使用される端子は、次の3種類です。

接続端子の種類特徴
B Keym.2 SATA接続用の端子です。
B keyのみの接続端子は、最近ではあまり見られません。
M KeyNVMe接続の場合は、ほとんどM keyになります。
B&M KeyBとMの両方に切り欠きがある端子です。

マザーボードのスロットとこれらの端子の形状が異なると、正常に動作しません。m.2 SSDの接続規格は混在しているため、これらの端子の形状を見ただけでは、接続規格をはっきり判別することはできません。接続規格を確認するためには、必ずスペック表で確認しましょう。

ちなみに、keyごとのピンが欠けている位置やインターフェースは以下のとおりです。BとM以外は、ほとんど使用する機会がないため参考までにご覧ください。

key欠けているピンインターフェース
A8-15PCIe×2/USB 2.0/I2C/ DP×4
B12-19PCIe×2/SATA/USB 2.0 and 3.0/Audio/PCM/IUM/SSIC/I2C
E24-312×(PCIe×1)/USB 2.0/I2C/SDIO/UART/PCM
G28-35Future Memory Interface (FMI)
M59-66PCIe×4/SATA

m.2の接続方式を比較

m.2は、複数の接続方式に対応しており、代表的なインターフェースには以下の3つがあります。

  • NVMe接続
  • SATA接続
  • AHCI接続

異なる規格のm.2 SSDを接続すると動作しないため、間違えないようにしましょう。それぞれの特徴を紹介します。

NVMe接続

NVMeは「Non-Volatile Memory Express」の略で、SSDの通信プロトコルを指しています。主にPCI Express接続を用いており、SSD側のNVMeコントローラーによって高速なデータ転送が可能です。NVMeを採用しているSSDは、通常のSSDと比較すると小型で高速な点がメリットです。

理論上のデータ転送速度は40Gbpsまで対応しており、従来よりも転送速度の上限が大幅に伸びました。価格は高めですが、SATA接続の7倍の速度でデータの読み書きが高速なため、高性能で高速なSSDを求める方におすすめです。

ただし、データ転送速度が高速な反面、発熱しやすいデメリットがあります。高温になると、SSDは処理速度を落とし熱暴走を避けようとするため、速度が低下する可能性があります。NVMeのm.2 SSDを使用する場合は、ヒートシンクやファンを利用した冷却対策が必要です。

SATA接続

SATA接続とは、Serial ATAとも表記される接続規格で、従来からHDDや2.5インチでも使用されてきた接続規格です。SATA接続は、m.2が普及し始めた初期には一般的な接続方法でした。転送速度は理論上6.0Gbpsと、従来と同じです。そのため、m.2 SSDを採用しても、SATA接続を選んだ場合は高速化するとは限りません。

SATA接続は、NVMe接続と比較すると速度が遅くなりますが、省電力、低発熱、PCI Expressのレーン数を使用しないなどのメリットもあります。NVMe接続とは別の通信規格で、端子形状が異なるためそれぞれ互換性がない点には注意が必要です。

AHCI接続

SATA接続で、パソコン側のAHCIコントローラによって動作します。めったにない規格ですが、互換性がない別の規格のため注意しましょう。

m.2のサイズの違い

m.2 SSDには、以下のように幅と長さのサイズがあります。

幅=12㎜、16㎜、22㎜、30㎜
長さ=16㎜、26㎜、30㎜、38㎜、42㎜、60㎜、80㎜、110㎜

m.2 SSDにはこれらの長さと幅を組み合わせた規格が存在します。代表的なサイズは、以下の3つのサイズです。

  • Type2240
  • Type2260
  • Type2280

Type○○のように製品スペックに記載されており、○○の数字がm.2 SSDのサイズを表しています。例えば、Type2240は幅約22mmで奥行き約42mmです。

中でも一般的な大きさは、Type2280になります。マザーボードに対応サイズでなければ取り付けできないため、m.2 SSDを選ぶ際には、サイズを確認する必要があります。

m.2 SSDを外付けケースで使う方法

m.2 SSDは外付けケースで利用する方法もあります。NVMe接続のm.2 SSDを外付けケースで使うことで、高速でデータ転送できる外付けストレージを作成できます。NVMe接続対応の外付けSSDは価格が高いことがデメリットですが、m.2 SSDを単体で購入することで、価格を抑えられます。

まずは、m.2 SSDと専用ケースを購入します。手持ちのm.2 SSDを使用する場合は、型番を検索し規格に対応した外付けケースを購入しましょう。NVMe接続に対応した専用ケースであれば、発熱対策としてヒートシンクが貼り付けてある場合もあります。

外付けケースは、thunderbolt3(USB-C)タイプであれば理論上40Gbpsでデータ転送できます。高速データ転送ができる接続規格のため、NVMe接続のSSDの速度を活かす場合におすすめです。USB3.2タイプは、理論上10Gbpsのデータ通信速度です。10Gbps以上では動作しないため、速度よりも容量の大きさを重視する方におすすめです。

外付けケースへm.2 SSDを取り付ける方法は、ケースにはめ込むだけのタイプやドライバーなどを使い固定するタイプなどがあります。簡単に取り付けたい場合は、はめ込むだけのタイプがおすすめです。

m.2 SSDをケースに取り付け、パソコンに接続すればストレージとして活用できます。費用を抑えて、高速の外付けストレージが欲しい方にはおすすめの方法ですので、ぜひ試してみてください。

m.2 SSDおすすめ5選を紹介

最後に、m.2規格のおすすめSSDを5つ紹介します。

エントリーモデルから、ハイエンドモデルまで紹介していますので、m.2 SSD選びの参考にしてください。

WESTERN DIGITAL(ウエスタンデジタル)|「WD_Black SN770 NVMe (WDS100T3X0E)」

PCIe Gen4 x4の接続規格に対応しており、PS5に増設も可能です。NVMe規格に対応しているため通信速度は最大、読み込み5,150MB/s、書き込み4,900MB/sと高速です。容量は、250GB、500GB、1TB、2TBがあります。

前世代モデルと比較し、電力効率が向上しているため消費電力を抑えてポータブルゲーム機などを使用できます。5年保証付きです。ヒートシンクが付属していないため、発熱対策が必要です。1TBのモデルでも、1万円代とコスパに優れる点もメリットです。

WESTERN DIGITAL(ウエスタンデジタル)|「WD Blue SN570 NVMe (WDS500G3B0C)」

PCIe Gen3×4の接続規格に対応。WD_Black SN770の廉価版の位置づけになります。NVMe規格に対応しており、通信速度は最大、読み込み3,500MB/s、書き込み2,300MB/sです。動画など大きなサイズのデータには向いていませんが、一般的なゲームやPC作業にはおすすめのエントリー向けのSSDです。ヒートシンクやネジは付属していません。

Crucial(クルーシャル)|「P5 Plus (CT1000P5PSSD8JP)」

PCIe Gen4 x4の接続規格で、PS5の規格に準拠しています。後方互換性もあり、Gen3のシステムにも搭載できる柔軟性もあります。最大転送速度は、読み出し 6,600MB/s、書き込み4,000MB/sと高速です。

ハイエンドモデルのSSDで、ゲームや動画編集、各種コンテンツの作成など、高い処理能力を必要とする作業にも適しています。容量は500GB、1TB、2TBが用意されています。無料のクローン作成ソフトも使用できるため、簡単にクローンが作成できることもポイントです。ヒートシンクが付属していないため、発熱対策が必要です。

シリコンパワー|「PCIe Gen3x4 (P34A80)」

PCIe Gen3x4の接続規格に対応しており、NVMe1.3にも対応しています。最大通信速度は、読込:3400MB/s、書込:3000MB /sとSATA接続よりも高速のため、ゲーミングPCのパフォーマンス向上にもおすすめです。

容量は、256GB、512GB、1TB、2TBが用意されています。国内サポートがあり、5年保証付きで、はじめての購入でも安心です。ヒートシンクが付属していないため、別で発熱対策したほうがいいでしょう。

CFD(シーエフデー)|「PG4NZLシリーズ CSSD-M2M1TPG4NZL」

PCIe Gen4 x4対応の高速通信可能なハイエンドモデルのSSDです。最大通信速度は、読み込み約7,330MB/s、書き込み約6,870MB/sec現行最速モデルです。PS5にも増設できるSSDです。容量は、500GB、1TB、2TB、4TBと、CFDでは最大となる4TBモデルも用意されています。5年保証付き。

別売りのヒートシンクを取り付けることができ、PS5の増設ストレージベイにもおさまるサイズです。4TBでは最速クラスの実力を持ち、ゲーム環境において起動やロード時間の大幅な短縮が見込め、快適なゲームエクスペリエンスを堪能できるでしょう。

まとめ:m.2 SSDは従来よりも高速で小型のSSD

m.2 SSDは、新しい接続規格であるm.2に対応した従来よりも小型のSSDです。m.2 SSDには接続方式があり、パソコンを高速化したい場合は、NVMe接続に対応したm.2 SSDを選ぶ必要があります。m.2 SSDにはサイズや端子の違いもあり、複雑に感じるかもしれませんが、少しずつ覚えてm.2 SSDを活用しパソコンを高速化しましょう。

ただし、m.2 SSDは新しい規格のため、古いパソコンでは対応していない場合があります。m.2 SSDに対応していないパソコンを使用している場合は、新しいパソコンに買い替えましょう。

パソコンを買い替えた際には、古いパソコンは無料で処分できるパソコン処分.comでの処分がおすすめです。24時間365日、事前連絡不要でいつでもパソコンを箱に詰めて配送するだけで処分できます。データ消去も無料のため、事前に面倒な作業は一切ありません。パソコンと同じ箱に入れば、ゲーム機も処分できるため部屋中を片付けたい方にもおすすめです。

パソコン処分.comでパソコンを処分する>>

関連記事

USBメモリ型SSDとUSBメモリの違いとは?特徴や使い分けを徹底解説

SSDはデータ転送が高速なストレージ。最近ではUSBメモリによく似た持ち運びできるUSBメモリ型SSDも登場していま...

Macで動画編集をするために必要なスペックとは?最適なMacの選び方を解説

Macで動画編集をしたい場合にどれぐらいのスペックのモデルが必要なのでしょうか? 「とりあえず一番高いモデルを買っと...

【自作PCには必須】電源ユニットの選び方を解説!過不足なくぴったりのものを選ぶポイント

自作PCは電源ユニットを自分で選ぶ必要があります。 CPUやGPUは性能がわかりやすい一方で、電源ユニットの適切な容...

ゲーミングPCにおすすめのSSD容量は?増設する方法も解説

ゲーミングPCのストレージは、読み込み速度の速いSSDがおすすめです。この記事では、ゲーミングPCにSSDを登載する...

ゲーミングPCはビジネスでも使えるのか?ゲーム以外で使うメリット・デメリットを解説

ゲーミングPCに興味があるけど、仕事でもPCを使うからできることなら1台で済ませたいと考えている人もいらっしゃること...

TOPに戻る